膝の痛みは自分で治せる?

先日、ジョギングのしすぎで膝を少し痛めてしまった。暫くしたら治るかなと思っていたけど少し長引いている。少し気になって膝についてリサーチしていると、膝関節変形症という膝のクッション役の軟骨が擦り減り、痛んだり水が溜まる病気があり、まさに私がこの初期症状に当てはまるようだ。通常は膝周囲筋力強化、ヒアルロン酸の膝注射、重度の場合は人口関節などあるようだが、運動で自己治癒させることを啓蒙している整形外科医の先生がいて、とても興味が湧いた。本当に簡単な繰り返しの動作により、軟骨のコラーゲン生成を促すというものだった。

膝は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)と膝蓋骨(お皿)とで形成されていて、向かい合う骨同士の継ぎ目はクッション役の軟骨で覆われている。この両側の軟骨の間の空間は関節液という液で満たされていて膝の潤滑や軟骨に栄養を与える役割をしている。この関節液は関節包という袋に包まれている状態でその内側が骨膜でそこに張り巡らされている血管やリンパ管から関節液を生成する。

英語で何と言うのかな? Carlilage(軟骨) Synovial membrane (滑膜)Synovial Fluid(関節液)

膝軟骨は70%が水分で残りの30%が軟骨細胞と細胞外基質といった構成になっている。軟骨組織は5%の軟骨細胞と95%の細胞外基質で構成されている。建物に例えてイメージすると鉄筋の柱となるコラーゲン繊維とそれを覆う壁部分が細胞外基質となっていて、軟骨細胞が中に点在しているというイメージだ。この細胞外基質は水分を吸収する性質を持つプロテオグリカンやヒアルロン酸で構成されていてスポンジのように水分を吸収する。

分かり易く言うとプロテオグリカンはスポンジのように関節液から軟骨形成に必要な栄養素を吸収している。 膝に栄養を与えているのはこの関節液だということを押さえることが、運動が膝の治癒にどの様に影響を与えるかを理解する鍵になる。膝を動かさないと膝周りの血流が悪くなり関節液の生成が少なくなってしまう。一方、運動することで膝周りの血流が良くなり軟骨に栄養や酸素を送る関節液が生成される。しくみとしては、関節運動により関節包が伸縮する。この動きで関節包の内側の滑膜から関節液が染み出でくる。また関節運動により軟骨の関節液を取り込むスポンジ機能が働いて関節液から栄養を吸収する。これによりプロテオグリカンを生成する軟骨細胞が活性化する。ちなみにプロテオグリカンはヒアルロン酸の鎖にたくさんくっついている状態。お化粧品で良く聞くヒアルロン酸はだからプルプル感がたっぷりなのかも。

このプロテオグリカンは一方的に増殖しているわけではなく、膝を屈折する動きが加わるとこのプロテオグリカンはいったん破壊される。すると軟骨細胞が壊された分の新たなプロテオグリカンを生成する。破壊された細胞などの老廃物は関節液から滑膜を通じて排出されるので、常に新鮮なプロテオグリカンを生成や関節液の新陳代謝が行われている。この滑膜を運動することで常に血流を良い状態にしておくことが膝の健康には欠かせないということだ。

ここでいう運動は激しい運動でなく適度な運動で大丈夫。既に膝を痛めている場合などは特に過度な膝への負荷は逆にプロテオグリカンの生成が破壊に追いつかなくなるので逆効果だ。これから取り入れたいと考えている運動はこちらの3つ。1つは長時間座っていて立ち上がる時の痛みに対応する為に立ち上がる前に少し膝をブラブラさせる。もう1つは朝起きた瞬間にベット(または布団)から起き上がる前に、膝の下を両手で押さえて膝下部分だけブラブラと動かす動きを20回くらいする。就寝中は寝返りをするので膝の関節液が体の下面に偏って溜まっている状態になるので、起きた瞬間すぐに立ち上がると膝の片側の水分が少なくなっている方を痛めやすいそうだ。なのでこの運動は立ち上がる前にベットサイドなどで行うのがベスト。もう一つはソフト屈伸運動というもの。これは太腿を高くあげ大股でウォーキングすることだが1回10分を朝昼晩と1日3回行う。これにより太腿の筋肉も鍛えられるので毎日のルーティーンに取り入れてみよう!

このソフト屈伸運動は、とにかく早く歩きすぎたり頑張ってやりすぎるのは逆効果なので、ゆっくりと定期的に行うのがベストだ。岡山大学の研究レポートによると1秒間に1回の割合で軟骨細胞が引っ張られるとコラーゲン生成が活性化するということだ!

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