脂肪は悪ではなかった?

スーパーおばあちゃんになるには健康でいないといけないと分かっているけれど・・日本に居たころは当時週3回くらいの頻度で通っていたピラティスのお蔭で8㎝ウエストを細くするという快挙を成し遂げたものの、ヨーロッパに来てからは5Kgも太ってしまった私。

お腹はボンレスハム一歩手前。ちなみにドイツ語ではRettungsring(救命用の浮き輪)とこのお腹の状態を表現するのだけど、所違えどいいたい事はよく分かる。このお腹の余分なお肉はほぼ脂肪。だから脂肪はあってはいけないと思い込んでいたけれど、どうやらそうではないという事を新たに学んだ。

人は体重の3割くらいが脂肪でできている。脂肪細胞は摂取した糖分や脂肪分を貯め込む役割をするのだけれど、十分取り入れられると”もうエネルギーは十分だ”という伝達物質(レプチン)を放出する。レプチンは血流を通して脳に運ばれる。脳はレプチンを受け取ると食欲中枢の活動を押さえる。

脂肪萎縮症という病気を持つ人は生まれつき脂肪が全くない。なので食欲を押さえることができなく、血液中には常に体に吸収されない糖分や油分が漂っている状態で血糖値や中性脂肪値が異常に高くなり長く生きられない。近年、このレプチンによる補充療法が認められたので延命は可能になるものの脂肪がない状態には変わりない。

Human fat cells, computer artwork.

逆に脂肪がありすぎるメタボリックシンドロームの人は、じゃあ脂肪がたくさんあるからレプチンの量も増えて食欲をコントロールできるのでは?と考えてしまけどそうはならない。メタボの人達の血流の中には多くの油分が膜の様な状態で漂っていて脂肪細胞が放出したレプチンが流れてきても、その膜のために血管を通過して脳に到達できない状態になっている。結果、彼らの食欲は収まらずさらに油の多い食べ物を摂取するという悪循環。彼らの脂肪細胞はすでに糖分や脂肪分でパンパンの状態でさらに上から降り注ぐ油分子を受け入れることができず跳ね返すだけとなる。

すると脂肪細胞はその油分子を細菌などの敵と勘違いして警告メッセージを発してしまう。そしてその警告メッセージを受け取った免疫細胞は戦闘モードへと切り替わる。免疫細胞は血管の外へと飛び出て戦う相手がいると思われる脂肪細胞の近くで油分子を食べ始める。が、あまりの量の大さに免疫細胞も膨れ上がりしまいに破裂してしまう。免疫細胞が攻撃するためにもっていた有害物質もこの破裂により周囲にまき散らされてしまい、血管を傷つけたりする。これが動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの病気の原因となってしまう。

ちなみにレプチン生成を促すチラコイドを含む食物の代表格がほうれん草。

脂肪は少なすぎても多すぎても死に至る危険性があるということをよく心にとめておかないといけない。巷に幾多とあるダイエットに意味も分からず飛びつくのでなく、人の体は何を必要としているのかきちんと学び直して健康な食生活を送ろうと今日心に誓った。スーパーおばあちゃんへの第一歩。

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